伊豆大仁・城山南壁 de マルチピッチルート エキスカーション(5.10c) wo 初めて登ってみた
2011年3月11日 14時46分頃 三陸沖でM9の大地震が起こり、その後襲ってきた巨大津波によって多くの町が飲み込まれました。後に東日本大震災と呼ばれる、過去に経験したことのない大きな地震でした。またこの地震・津波の影響で日本の原子力発電史上最悪の事故が発生し、現在もまだ修復のめどが立たない大変危険な状態が続いています。
三陸沖地震の後の2011年3月12日 4時3分頃には中越地方でM6.7、2011年3月15日 22時40分頃には静岡県東部でM6の地震が発生しました。
今回の大規模震災でハッキリしたことは、大規模震災を予知することは難しいと言うことだと思います。自分には何が出来るのだろうか.....被災地の1日も早い復興をお祈りします。
今回は伊豆城山・南壁の看板マルチピッチルートの1つ、エキスカーション(5.10c)を初めてトライする為に、朝から南壁にやって来ました。城山南壁、空が青いです。エキスカーションは右写真中央上部のハング(木に隠れているハングやや右側)を超えていく、全長6ピッチ(105m)のロングルートです。
過去のマルチピッチの経験は、
2009.10.17:城山南壁・バトルランナー(5.10a)をフォローで2ピッチ目まで
2009.10.31:小川山・セレクション(5.8)をフォロー(ただし3(4)ピッチ目はリード)で
2011.2.19:城山南壁・中央壁ダイレクト(5.10b)をリードで2ピッチ目まで
と言う感じです。
実質的には今回がマルチピッチ・フリークライミングのデビュー戦です。何度も眺めてきたこの南壁も、やはり今日は“ちっと”違う感じがしますね。
アナザステップ(5.9) mRP
久しぶりにダブルロープを使用するので、ロープワークの確認を含め、アップで登った。2ndビレーなどのお復習いをして、懸垂で下降。少しぎこちなかったかなぁ?
エキスカーション(5.10c) mリードでTO (6ピッチ)
1ピッチ目(5.10a) mOS
ROCK&SNOW 2010春号(47) によりますと、エキスカーションのオリジナルルートはアミーゴス(5.8?)が正式な設定ルートだと書いてありますが、今回はエキスカーションを登る多くの人が採用しているルート( 日本100岩場3伊豆・甲信編 増補改訂版 や IZU JOYAMA Free Climbing Guide 400に記載されている(5.10a)のルート、即ちホームボーイ(5.8)の左側のルート)を1ピッチ目として登りました。
“ハング越えも嫌らしいなぁ”と感じたけど、ハングを超えてからのスラブに心が折れそうになった。結構ランナウトしています。且つ、ルートの左側(ブッシュ側)は濡れていて、ガバポケットを使えず苦戦。1ピッチ目からこんな状態で果たして最後まで(全6ピッチ)登りきれるのかなぁ。
2ピッチ目(5.10a) mリードでTO
エキスカーションをトライした多くの人が核心ピッチだと感じている2ピッチ目です。2ピン目(写真に写っている赤い敗退ビナ)のクリップは慎重に!その上方にある縦カチ(斜めカチ)と左側にあるポケットの横引きは岩が不安定だったので、怯んでテンション。だって、2ヶ所も揺れているんだもんなぁ~修正できなかったよ~ここのホールドは剥がれる可能性が有るので要注意です。不安定なホールドを使わずにムーブを組み直し、3ピン目へ。ルートの体感は岩が安定なら(5.10a)かなぁ(・_・?)でも剥離しそうなホールドを限定として登るなら(5.10b)ぐらいでも良いのかも(・_・;?
3ピッチ目(5.10c) mリードでTO
2ピッチ目を終えて早くも消耗したので、取りあえずTOを目指す登り方へ変更。終了点やボルトの間隔が判らず & このスケールにびびる。城山的なスラビーなルートで、ボルトの間隔が遠い。このピッチの終了点があるテラスに上がる時はドキドキした。体感は(5.10a/b)か(・_・?)
4ピッチ目(5.10a) mリードでTO
離陸で若干迷ったが、3ピッチ目よりも登りやスイカも(・_・?)威圧的な三日月ハングに怯まないことが重要かなぁ(・_・?
5ピッチ目(5.10a) mリードでTO
1ピン目にクリップ後のハング取り付きで、左手を、1手、伸ばしきれずにテンション。後から思えば最初に掴んだ甘いホールドでも、イケイケで登れば超えられたが、流石にmOSトライがここまで続くと萎えてしまった。ホールドが判ればハング越えは難しくないかなぁ。
6ピッチ目(5.9) mOS
最終ピッチ。実際には5ピッチ目と6ピッチ目は、ピッチを切ることなく、繋げて登った。5ピッチ目の終了点から6ピッチ目の最初のクリップまでは鬼のように遠いです。ランナウト=超簡単かなぁ(゚ー゚*?)と思いトライすると後悔します。傾斜は緩いですが城山独特のスラブなので (・O・)」慎重に!
終了点から見える大仁駅側の景色はこんな感じ(→)景色を見ても感動は、、、無し。クッキングワールドから眺める景色と変わらないじゃんヾ(ーー )
終了点から更に上を見上げると、岩がボコボコしていました。何だか人工的に積み上げた感じで、不思ぎぃ~
帰りは懸垂で楽々下降。2ピッチ目終了点で1回切ってから、離陸ポイントまで帰ってきました。離陸開始がAM10時、終了点にはPM1時30分に到着、再び離陸ポイントに戻ってきたのがPM2時と言う感じでした。と言うことは、エキスカーションを登って下りてくるのに4時間掛かった事になりますねぇ。
エキスカーションの核心は2ピッチ目かなぁ(゚ペ)?壁は立っていますがホールドは有るので、焦らず探すことが重要かも。城山特有のポケットを上手く拾って登りましょう。2ピン目と3ピン目の間には不安定なホールドが少なくとも2ヶ所はあるので、ここは慎重に登りたいですね。3ピッチ目からはランナウトするので、心が折れない事が重要です。
まだ時間はたっぷりとありましたが、ショートルートをトライする気力も沸かなかったので、残りの時間はビレーヤーとして活躍。まだ明るい16時頃には南壁を撤収しました。(帰り際に南壁を見上げて)あ、あそこまで登ったんだなぁ~ と。
活動内容:Ah・Tortoise、ロープを掛けたルート:エキスカーション(5.10c) *ルートの途中には剥がれそうなホールドが有ります。また今回は気が付かなかった所にも地震の影響があるかもしれません。注意が必要です。